スンダランド文明 ボロブドゥール寺院/プランバナン寺院

スンダランド文明 ボロブドゥール寺院プランバナン寺院 古代遺跡

ボロブドゥール寺院の概要

ボロブドゥール寺院は、インドネシアの中部ジャワ州にある8世紀から9世紀にかけて建てられたスンダランド文明のマハヤーナ仏教の寺院です。世界最大の仏教遺跡で、世界遺産にも登録されています。
ボロブドゥール寺院は、直径約120メートル、高さ35メートルの円錐形の構造で、上層部には仏陀の石像があります。上層部に登ると、周囲の美しい景色を見渡すことができます。

寺院は、シャイレンドラ朝の王たちが仏教を支援して建設されました。
壁には、仏陀の教えを表すレリーフが彫られており、1万以上の彫刻が施されています。彫刻の中には、仏教の教えを表すものだけでなく、当時のジャワ島の生活を描いたものもあります。

マハヤーナ仏教とは

マハヤーナ仏教は、仏教の主要な宗派のひとつで、中国・日本・韓国など東アジアに広く伝えられています。上座部仏教(テーラワーダ仏教)とは異なる思想や教えを持ち、多くの菩薩や仏、天部、聖者たちを崇拝することで知られています。
マハヤーナ仏教の教えは、救済のために慈悲心を持ち、他者の利益のために自己犠牲を行う菩薩道を重視します。また、世間的な善行や功徳、願いを通じて来世での幸福を追求することも重要視されます。

シャイレンドラ朝

シャイレンドラ朝は、8世紀から10世紀にかけて、インドネシア中部ジャワ島に存在した王朝です。
ヒンドゥー教・仏教文化の繁栄をもたらし、中部ジャワの仏教文化の発展に大きな役割を果たしたと言われています。この時代に代表的な寺院や仏教美術の作品が生み出されました。
シャイレンドラ朝は、初代王シャイスタラジャによって建国され、統治者たちは、仏教・ヒンドゥー教の両方の信仰を尊重し、政策を展開しました。シャイレンドラ朝は、文化の発展と交流に注力し、中国やインドとの交易を行って、寺院建築や仏教美術の発展に寄与しました。

ボロブドゥール寺院の特徴

ボロブドゥール寺院の主な特徴は、

  1. 形状:ボロブドゥール寺院は、直径約120メートル、高さ約35メートルの円錐形をした建造物で、9段のプラットフォームと、上部に3つの円形テラスから構成されています。
  2. 建造年代:ボロブドゥール寺院は、8世紀末から9世紀初頭にかけて、シャイレンドラ朝の支配下で建設されました。
  3. 建築様式:ボロブドゥール寺院は、ジャワ島に伝わる仏教建築様式である「ストゥーパ」を基にした建築様式を採用しています。ストゥーパとは、仏教建築において聖なる墓として造られた円形の塔のことです。
  4. レリーフ:ボロブドゥール寺院には、1万以上のレリーフ(彫刻)が彫られており、これらのレリーフには、仏教の教えやジャワ島の文化、宗教的信仰などが描かれています。
  5. 仏像:ボロブドゥール寺院には、仏像が多数安置されており、これらの仏像には、ヒンドゥー教的な特徴も含まれています。
  6. 方位:ボロブドゥール寺院は、古代ジャワの都市軸線上に位置しており、その位置関係から、仏教の宇宙観や宗教的意味が込められているとされています。
  7. 修復:ボロブドゥール寺院は、多くの時代を経て、地震や火災などの被害を受けていましたが、20世紀になってから修復が行われました。

ストゥーパとは、仏教建築において聖なる墓として造られた円形の塔のことです。ストゥーパは、インドやスリランカを始めとする仏教が根付いたアジア各地で、仏教寺院や聖地に建造されてきました。

プランバナン寺院

プランバナン寺院は、ジャワ島中部のヤヴァ県にある、ヒンドゥー教寺院の複合体です。9世紀にクリシュナ朝の王たちによって建てられたとされ、中でもシヴァ神を祀る中心的な寺院は、高さ47メートルに及ぶ巨大な塔(メラク)が8基立ち並んでいます。この塔は、円錐形の基礎の上に、上に向かって狭くなっていく四角錐の層を積み重ねた形状をしており、インド式寺院建築の特徴をよく表しています。

プランバナン寺院は、その美しい彫刻や浮彫りで知られています。特に、塔の壁面に彫刻された各種神々の姿は、神々の生き生きとした表情や繊細な仕上がりによって、訪れる人々を魅了しています。また、塔の内部には、シヴァ神をはじめとする多くのヒンドゥー教の神々を祀った神殿があり、それぞれに美しい彫刻や装飾が施されています。

プランバナン寺院は、1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。しかし、寺院は地震や洪水、人間の活動などによる被害を受け、修復や保全作業が必要とされています。それでも、その美しい姿や歴史的な価値は、多くの人々に愛され続けています。

プランバナン寺院の特徴5選

プランバナン寺院の特徴的な点を5つ挙げると以下の通りです。

  1. ャイレーンドラ様式の建築 – プランバナン寺院は、シャイレーンドラ王朝の建築様式を特徴としています。この様式は、古代インドの仏教建築とヒンドゥー教建築を融合したもので、非常に精巧な装飾や細かい浮彫りが特徴的です。
  2. 中央塔 – プランバナン寺院の中心部には、高さが40メートルにも及ぶ中央塔があります。この塔は、仏教建築のストゥーパとヒンドゥー教建築のシヴァ神殿を組み合わせたもので、周囲には4つの小さな塔が配置されています。
  3. プランバナン寺院のレリーフ – プランバナン寺院の壁面には、非常に緻密なレリーフが施されています。これらのレリーフには、ヒンドゥー教の神話や伝説が描かれており、非常に美しく、また歴史的な価値が高いものとなっています。
  4. シヴァ神像 – プランバナン寺院には、シヴァ神を祀ったシヴァ神像があります。この神像は、高さ3メートルにも及ぶもので、非常に精巧な彫刻が施されています。
  5. プランバナン寺院の周辺 – プランバナン寺院の周辺には、他のヒンドゥー教寺院や仏教寺院が多数存在しています。また、周囲には美しい景観が広がっており、訪れる人々を魅了しています。

ボロブドゥール寺院とプランバナン寺院について ‥所感

ボロブドゥール寺院とプランバナン寺院は、ともにインドネシアのジャワ島にある世界的にも有名な歴史的な寺院で、どちらも後世に残していきたい遺産ですね。
ボロブドゥール寺院は、緑豊かな山の中腹に位置し、周囲には美しい自然が広がっており、静かで穏やかな雰囲気がある一方、プランバナン寺院は、複数の塔が立ち並ぶ美しい姿が印象的で、力強いエネルギーを感じます。
彫刻においても、ボロブドゥール寺院の彫刻は、主に仏教の教えを表し、プランバナン寺院の彫刻は、主にヒンドゥー教の神話や伝説を表しています。
どちらの寺院も見応えがあり、素晴らしい歴史的遺産だと思います。

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