古代エジプト最大の神殿 カルナック神殿

古代遺跡

カルナック神殿の概要

カルナック神殿は、エジプトのルクソールにある古代エジプトの最大の神殿の一つであり、紀元前2000年頃から紀元後395年頃まで、約1500年間にわたって建設・拡張されました。この神殿は、古代エジプトの神々に捧げられ、神々の信仰心を称えるために建てられました。

カルナック神殿は、数百の建物からなる複合体で、最も有名な建物は、大広間(ホール・オブ・カルナック)です。大広間は、総面積が5万平方メートル以上あり、134本の柱で支えられています。これらの柱の高さは、10メートル以上あり、柱の間隔は2メートル以上あります。この神殿は、かつてはナイル川から入り口まで続くスフィンクスの通りに接続されていました。

カルナック神殿は、様々なファラオたちによって建設され、拡張されました。それぞれのファラオは、自分の名前や功績を神殿に刻み込み、神殿の装飾を追加していきました。そのため、カルナック神殿は、古代エジプトの歴史的な変遷を物語る貴重な資料となっています。
また、カルナック神殿には、古代エジプトの重要な宗教行事が行われた場所もありました。例えば、年次祭りなどが行われ、神々の力を称えるための祈りが捧げられました。

現在、カルナック神殿は、エジプトの主要な観光地の一つとなっており、多くの観光客が訪れています。

カルナック神殿

カルナック神殿の特徴

カルナック神殿の主な特徴は・・・

  1. 龍のアベニュー カルナック神殿の入り口には、2.5キロメートルにわたって伸びる龍のアベニューがあります。このアベニューには、ラムセス2世の像など、多くの彫刻が施されています。
  2. 大広間 神殿の中心には、高さ33メートル、幅52メートル、長さ134メートルの巨大な大広間があります。この広間には、豪華な柱やスフィンクスの像があり、神々への信仰心を表す儀式が行われました。
  3. アモン神殿 カルナック神殿には、アモン神を祀ったアモン神殿があります。アモン神は、古代エジプトの神々の中でも最高位に位置する神でした。
  4. ラムセス2世神殿 ラムセス2世は、古代エジプトの最も偉大なファラオの一人でした。カルナック神殿には、ラムセス2世を讃えるために建てられたラムセス2世神殿があります。この神殿には、ラムセス2世の像や、その治世を記念する彫刻があります。
  5. ハトシェプスト女王の神殿 カルナック神殿には、女王ハトシェプストが建てた神殿もあります。ハトシェプスト女王は、古代エジプト史上初めて女性としてファラオの地位に就いた人物です。
  6. ペタメンネス神殿 ペタメンネス神殿は、古代エジプトの時代において、宗教の儀式を執り行うための神殿として建設されました。この神殿には、神々への信仰心を表す彫刻や、古代エジプトの歴史に関する碑文が刻まれています。

カルナック神殿 龍のアベニュー

龍のアベニューは、カルナック神殿の東側にある、数多くのスフィンクスとともに位置する長い道路で、全長は2.7キロメートルにも及びます。この道路には、両側に約1,350体ものラム・ヘデトと呼ばれるライオンとヘッドレス・ファラオ像が並んでおり、その先には神殿本殿があります。
ラム・ヘデト像は、古代エジプトの神話に登場するライオンの姿をした神である「セクメト」と考えられています。また、ヘッドレス・ファラオ像は、エジプトの神王たちの姿を表しており、その中でも特にラムセス2世の像が有名です。
龍のアベニューは、ラムセス2世によって建設されたとされており、彼がエジプトの神々に捧げるために建てたものであるとされています。そのため、エジプトの古代王朝の歴史や文化に興味を持つ人々から多くの注目を集めています。

カルナック神殿のアモン神殿

アモン神は古代エジプトの主要な神の一人であり、太陽神ラーと融合され、アモン・ラーとして崇拝されるようになりました。

カルナック神殿のアモン神殿は、紀元前2050年頃に始まり、紀元前30年頃にローマ人によって破壊されるまで、約2000年間にわたって拡張され、改修され続けました。神殿複合体の中心に位置し、神聖な湖と広大な神殿庭園を含む広大な敷地を占めていました。
アモン神殿は、広大な柱廊と専用の神殿建物から成っており、入り口には巨大なピラミッド形の門があります。中には、神聖な霊廟、宝物庫、聖域、礼拝堂、神殿司祭の住居などがありました。アモン神殿には、ラムセス2世などのファラオたちが、自らの功績を称えるために増築や装飾を施しました。
アモン神殿は、古代エジプト文明の宗教的、政治的、文化的中心地であり、大規模な宗教祭典や儀式が行われました。

カルナック神殿 神々について

カルナック神殿の主要な神々はアムン、ムト、およびモンテュでした。アムンは、古代エジプトの最高神とされ、創造と命の神と考えられていました。ムトは、女性の神であり、母性と豊穣の象徴とされました。モンテュは、戦いと勝利の神として崇拝されました。

カルナック神殿は、古代エジプトの宗教的儀式の中心地であり、信仰の対象として多くの神殿が建設されました。神殿の中心部には、聖域があり、そこには神々が宿るとされる場所がありました。また、神殿には、神々を崇拝するための礼拝堂や、神々への献物を納めるための場所がありました。

カルナック神殿は、古代エジプトの芸術と建築の傑作としても知られています。神殿には、多くの美しい壁画やレリーフが描かれ、その美しさは、古代エジプトの芸術の高い水準を示しています。

今日、カルナック神殿は、世界遺産に登録されており、多くの観光客が訪れています。しかし、宗教的な意味合いを持つ場所であるため、敬意を払って訪れることが重要です。

神 アムンとは

アムンは、古代エジプトの主要な神々の一人で、古代エジプトの神話において、太陽神ラーとともに最高神の地位にあったとされています。彼は「不可視のもの」という意味を持つアムンと呼ばれ、王たちや一般庶民から広く崇拝されました。
アムンの信仰は、古代エジプトの歴史を通じて続き、彼を崇拝する神殿や祭壇が建てられました。紀元前16世紀頃からは、神々の三位一体の一人であるアムン・ラーとして崇拝されるようになりました。
アムンは、人々が求めるさまざまなものを象徴する多くの神話的な属性を持っていました。創造と生殖、そして知恵や戦いにおいて力を持つとされていました。
また、アムンは息を吹き込むことによって、新しい生命を創造することができる神でもありました。

神 ムトとは

「ムト(Mut)神」は、古代エジプト神話に登場する女神の1人で、主に母性と女性的な特質を象徴する神格です。
ムトは、王家の女性たちの守護神とされており、王家の女性たちが獲得する「王妃」という称号を授ける権限も持っていました。アイシスやネフティス、ヘケトとともに三位一体として崇拝されることがあります。
ムト神は通常、女性の姿で描かれ、頭には叢状の冠を戴き、胸には襟飾りを身につけています。

神 モンテュとは

「モンテュ神」は、古代エジプト神話において、戦争や破壊の神として崇拝された神様です。
赤い羽毛帽子と蛇をつけた人物として描かれ、戦いや暴力、そして、動物の狩りや食物を象徴することもありました。また、モンテュ神は、太陽神ラー、月神トート、そして死者の神オシリスと合わせて「カルトゥーシュ」と呼ばれる王権の象徴としても崇拝されました。
古代エジプトの歴史の中で、戦争や征服を通じて強大な国家の象徴として重要な役割を果たしました。

カルナック神殿について ‥所感

カルナック神殿の規模は、メソポタミア文明のジッグラトや古代ギリシャのパルテノン神殿など、世界中の名だたる建築物をも凌駕するもので、圧巻の大きさがあり、さらに美しさを持っていると感じます。の大きさや美しさに圧倒されると同時に、古代エジプト人がどのようにしてこのような建造物を建設できたのか、その建築技術や知識に深い関心を抱かせられます。

カルナック神殿の遺物の多さは、古代エジプト文明がいかに繁栄し、発展したかを示しています。その遺物を見ることで、古代エジプト人の豊かな文化や芸術、宗教観を垣間見ることができます。
遺物の多さは、研究者たちにとっても貴重な情報源であり、未だに多くの謎を秘めているカルナック神殿は、今後も多くの研究者たちの注目を集めると思われます。
ぜひ一度訪れ、直接見てみたい遺跡です。

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